やってくれ
「時間デス。時間デス。起キマショウヤバイデス」

カチ

「あーー眠・・・」

ここはフィオの部屋。目覚ましをセットしないと起きれないと評判の
彼女が今まさに目覚ましの力を借りて起きたところ。だが、

「げえええーーー何でこんな時間っ?お、遅れるーーー」

更に

「ああっ無いっ!・・・ぁあ〜〜遅刻確定・・・」
 
 

「すすすすすすすいませーーーん」

「おいフィオーーー。おっそい。お前おっそい!ターマとエリは先に行ってしまったぞ」

「いや、上着無くしたものですから」

「上着か・・・まぁ無いと困るわな。ん〜俺のでよかったら使うか?」

「いいんですか?ご迷惑わります。マルコさんって頼りになりますねぇ」

「そうかい?へへ、まぁまた何か困った事あったら来いよ。出来る限りの力にはなるぞ」

そんなこんなで1日は終わり。

(でも、上着無くしただけであんなに遅れるもんかなぁ)

とマルコも思い、前説も終わりました所で


翌日。

「時間デス・・・時間デシューーーーーーボボボボボボドオオオオォォォン」

「うわあっ!」

カチ。ッッッシュウウウウゥゥゥゥゥーーーー・・・・・・

「・・・壊れた」
 
 
 

「マルコさん」

「ん?おおフィオ。どうした?」

「あのー困ったことになったんですが」

「いきなりかい。で、どうした?」

「目覚まし壊れちゃって、これ店とかにはあまり無いタイプのだから直すしかなくて。
だから直してくれませんか?いつでもいいんで」

「え?ちょっと待てお前は直せないの?」

「私は上着探したいので。じゃあお願いしまああぁぁぁーー・・・」

と言いながら去ってしまった。

フィオ→マルコ


「まいったな。目覚ましなんて使った事ないから直し方なんざこれっぽっちも分からないんだが」

マルコが四苦八苦してた時にちょうどターマが通りかかった。

「♪俺の〜グラサン似合っっっっ、ってる〜。エリの〜バンダナぁ〜ハゲ隠し〜〜♪」

変な歌を歌っていた。

「おーいターマーー。お前いい所に来た、お前はいい所に来たんだーーーー」

「よぉ〜マルコ。お前も俺の歌に我を失ったうちの一人かい?」

「はいはいそうですよそうですよ。それよりお前バイクとかよくいじるだろ?
じゃあこれも直すの訳ないよな」

「なんだこれ、目覚まし?」

「頼むよ、やってくれ」

「・・・はぃ?」

マルコ→ターマ


「と言うか、バイクと目覚ましは全く別物だろうが。下手に手出すと逆に壊れるぞこれ」

「あらぁーターマ?あんたにしては珍しいもん持ってるわねー」

後ろからにゅっと表れましたのはエリだ。

「んぁエリ。あ、エリは女か。って事は」

「何それ。そういう差別的な事は言ったらダメなのよ」

「いや、女だったら目覚ましは使うだろ」

「別にそれ性別とか関係ないでしょうが」

「じゃあこれ直してくれよ」

「直すってねぇ・・・」

「やってくれよ、頼んだぜ」

「・・・え?」
 


ターマ→エリ


「ったく。使うのと直すのは別でしょー。こんな複雑なの直せないわよ」

「あたしはぁーー神出鬼没っ!神出鬼没なのです。戦士さん!」

遠くに見えますは留美。大きい声で変な独り言を言っていた。

「こんな神出鬼没の謎を、100円から。どうですかっ操縦士さん!」

ビッ!っと指差したところにエリが表れた。

「元気してるわね」

「うわあエリさん、ご無沙汰です」

「ところで頼みがあるんだけど」

「え、何ですか?」

「これ、直してほしいんだけど」

「目覚まし・・・でもあたしこういうのは」

「やってくれないの?」

「いえ、やります。やらしていただきます(逆らえないわ)」
 


エリ→留美



「・・・姉さんに頼もう」
 


(いきなり)留美→まどか


「留美に頼まれたけど・・・普通の目覚ましならともかく
これってすごい複雑な作りになってるわ。どうしましょう」

そこへ表れますは百太郎。

「お困りですかな?」

「あ、百太郎さん。妹からこれ直してくれって言われたんですけど」

「直せんわけですな?どれ、ちょっと貸してみて下され」

「もしかして直せるとか?」

「拙者は無理ですが、なぁにこんなもん人生の経験で何とかしてみせますわい」

「し、心配だぁ。でも、やってくれるのなら、お願いしようかしら」

「では、しばしおさらば」
 


まどか→百太郎


「むぅ・・・こういう機械ものは叩いたら直るもんじゃなかったのか?」

結局四苦八苦している百太郎であった。

「ウキィ」

「やや、ウータン君」

「ウキキィ」

「何?貸せ?代わりにやってくれるんですな、どうするんですかな?みものですわい」

「ウッキ、キシャア」
 


百太郎→ウータン


「ウキーーーイーイーーイーーイイ♪」

ウータンは紙に何か書いた後、目覚ましを大砲に入れて言いますには

「ウキィ」

何言ってるのか分からなかった

「導火線に火をつけろ?拙者は火付けの物は持っておらぬが、
では拙者の『気』ではいかがかな?」

何故か百太郎には何を言ってるのかは分かったので、ほい とか言って気を放つと
導火線に火が付いてドオンと飛んで行きますのは目覚まし。一体あなたはどこへ行く。

「ところでどこらへんに飛んで行ったのですかな?え?
狙いはつけた?あいつなら見事に直しきるはず?はて、それは誰じゃろか・・・」
 


ウータン→????


「ククク、さあて次はどんなクーデターをやらかしてやろうかな」

「モーデン元帥、次は自分をもうちょっと暖かい所に配属してはくれませんか?」

「アレンよ。君は優秀だからどうしても人がやり難いような所に
配属されるようになっているんだ。わかってくれ」

「あ〜〜〜はぁ・・・」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウン

ゴーーーーーーーーーーーーン

「痛っっっっっっっってええええええええええええ!」

「だ、大丈夫ですかぁ!元帥!」

「だ、大丈夫です。平気です!でも何だよこれ!目覚まし?
何でこんなもんが我輩の頭に」

「元帥この目覚ましメモが貼りつけてありますよ」

そのメモにはこう書いてあった。
 

やあ、キミがどれぐらい元気なのか皆目見当もつきません。
ところでこの目覚ましを拾ったぐらいなんだから直しなさいモーデン。
クーデター何回も起こすぐらいだからこれぐらい訳ないよね?
もし直せなかったらもうすでにキミの軍に入り込んだ僕が
見事に壊滅させてみせるよ?お楽しみに。
僕の名前かい?僕の名前は「アーモンド・チョコレート」さ。
でもそんな事聞いてどうするんだい?
 
 

「なんだこれえ!」

「この目覚ましを直さないとやばいみたいですね」

「直すか!そんな事より軍に入り込んだスパイを探すんだ」

「でもどうやって」

「アーモンド・チョコレートって名前の奴を探し出せばいいじゃんか!」

「それ・・・偽名ですよきっと」

「チョコレート?チョコレートだと?もしかしてそいつは甘いのか?
しかしそんな奴がいたとすればもうとっくに溶け死ぬ
もしくは子供達に食われておっ死んでるはずじゃないのか?」

「うわあ元帥ご乱心だあ。落ちついて」

落ちついたモーデンは落ちついた口調で、さながら爽やかな口調で言った。

「ようし、アレン。キミが直すんだ。やってやれよ、あの夕日も応援してるぜ。
くそうあの夕日め・・・眩しいぜ・・・」

「元帥とりあえず寝てて下さい。3日ぐらい」
 


モーデン→アレンオニール


「とは言ったものの、目覚ましなんてどうすればいいものか
ようし、ここは困った時の人頼みだ」

つまり兵士に直させるというものでした。アレンは兵士を呼び出しました。

「はっ!お呼びでありますか」

「これを直してほしい。それが君の任務だ」

「はっ?目覚ましでありますか」

「やってくれるかね」

「はっ!しかし自分はこういうものはちょっと・・・」

「やってくれないのかね」

「ちょっとやってみたいなーと思ってた所であります!失礼します!」
 


アレンオニール→兵士


どうすべきか分からない兵士はとりあえず街に出ましたとさ。

「どーーーしよ。とりあえずどっか修理できる所探さないとダメかなぁ。
金はかかるがしょうがない」

「あれっ!これ私のと同じのだあ」

表れますのはフィオでした。どうやら上着は見つからないで、結局新しいのを買う事にしたみたい。
あとちなみに二人とも私服だからお互い敵同士だとは気付いてないみたい。

「なんだい君は・・・」

「突然すみません。でもこれ私の持ってる目覚ましと同じタイプなんですよ
このタイプは珍しいのに、嬉しいなぁ」

「そうかい、でも壊れてるんだよ。直さないとただのガラクタなのさ(俺の将来も)」

「私これ直せますよ」

「ほっ本当か!じゃ是非やってくれないか。頼む!」

「もう直りましたよ」

「うおっ!はや!ありがとう恩にきるよおおおおおぉぉぉぉぉーーー・・・」

そう言って帰っていく。

「私も帰る。あっマルコさんだ。マルコさーーーん目覚まし直りましたかーー?」

「ごめん、もうちょっと待ってくれない?・・・」
 


―――――3日後―――――


「おーいフィオー。やっと直ったぞほら」

「ありがとうございます。やっぱりマルコさんは頼りになりますね」

「うーん。また何か困ったことあったら来てね・・・上着は見つかったかい?」

墓穴を掘る男だった。

<エピローグ>



「ねぇ留美?そのさっきからリュックにぶら下がってるの何?」

「ぶら下がってる?本当だ。これは・・・上着?誰のだろ。姉さんの?」

「誰のか分からないの?不気味な上着ねぇ」

おわりです


 




 
<あとがき>著者タスラグ
予定ではもうちょっと短くて読むのにあまり時間はかからないかと思ったんですが、予定より長くなってしまいました。読み上げるの辛かったと思います。

前回の僕の作品の「威厳」ではつまらなさを反省し、今回のは面白くなるようには頑張ったんですけど うーん、いかがなもんなんでしょう。

あとこの作品は人格を分けるために、
留美、百太郎、モーデンの一人称をそれぞれ「あたし」「拙者」「我輩」と勝手に決め込んでいますのでご了承下さいませ。

あと最後の<エピローグ>ってのですが、これ実は僕自身どういう意味なのか分かってないで書いてしまってるんで「エピローグってどういう意味?」とかってあまり深く突っ込まないでくれると幸いです(何かの漫画でこういう風に使ってたのを参考にしただけです)。


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